ハザードマップの見方と活用法|三重県の水害・地震リスクエリア

最終更新: 2026-04-01 | 監修: 注文住宅比較.com 編集部

ハザードマップとは——注文住宅の土地選びに欠かせない理由

ハザードマップとは、自然災害による被害の予測範囲を地図上に示したものです。2020年の宅地建物取引業法改正により、不動産売買の重要事項説明で水害ハザードマップの説明が義務化されました。

注文住宅は「どこに建てるか」を自分で選べる分、災害リスクも自分で調べる責任があります。土地の価格が安い理由がハザードマップ上のリスクだった、ということも珍しくありません。

約4種類
主要ハザードマップ
洪水・地震・津波・土砂
2020年〜
ハザードマップ説明義務化
宅建業法改正
M9.1
南海トラフ地震の想定
理論上最大クラス

ハザードマップは主に4種類あります。「洪水ハザードマップ」は河川氾濫による浸水予想、「地震ハザードマップ」は予想震度や液状化リスク、「津波ハザードマップ」は津波の浸水範囲、「土砂災害ハザードマップ」は崖崩れ・土石流の警戒区域を示しています。

ハザードマップの確認方法——3つの無料ツール

ハザードマップは無料で誰でも確認できます。以下の3つのツールを活用しましょう。

重ねるハザードマップ(国土交通省)

住所を入力するだけで、洪水・土砂災害・津波・高潮のリスクを地図上に重ねて表示できます。全国対応の最も便利なツールです(https://disaportal.gsi.go.jp)。

各市町村のハザードマップ

「○○市 ハザードマップ」で検索すると、各自治体がより詳細な地域別マップを公開しています。内水氾濫(排水能力を超えた浸水)など、国のポータルにない情報も掲載されています。

地盤サポートマップ(ジャパンホームシールド)

住所を入力すると、地盤の強さ・標高・浸水リスク・液状化リスクなどを総合的にレポートしてくれる無料サービスです。地盤の硬軟がわかるため、地盤改良費の目安にもなります。

国土交通省データプラットフォーム(DPF)

2026年2月に公開されたオープンデータ基盤で、洪水浸水想定区域・避難施設・学校・公園など多数のデータセットを無料で閲覧・ダウンロードできます(https://www.mlit-data.jp/)。浸水想定区域のGeoJSONデータは地図上で詳細に確認可能で、各市町村のハザードマップよりも広域の比較に便利です。

旧地名もチェック 土地の歴史を知ることも大切です。「沼」「潟」「新田」「川」「池」など水に関する漢字が入った旧地名は、かつて湿地や水域だった可能性があります。国土地理院の古い地形図と現在の地図を比較すると、埋め立てられた土地や旧河道がわかります。

三重県北部の洪水リスク——木曽三川と鈴鹿川に注意

三重県北部は木曽川・長良川・揖斐川の「木曽三川」と鈴鹿川水系が流れており、河川氾濫のリスクを理解しておく必要があります。

エリア主な河川洪水リスク特記事項
桑名市木曽川・長良川・揖斐川非常に高い木曽三川の合流地点。1959年伊勢湾台風で甚大な被害
四日市市鈴鹿川・三滝川・朝明川高い沿岸部は高潮リスクも。内陸部は比較的安全
鈴鹿市鈴鹿川・鈴鹿川派川高い沿岸部と河川沿いに浸水リスク集中
いなべ市員弁川中程度山間部は土砂災害警戒区域が多い
亀山市鈴鹿川(上流部)中程度内陸で比較的安全だが川沿いは注意
菰野町山地河川中程度鈴鹿山脈の麓は土砂災害に注意
東員町員弁川水系中程度平坦な地形で内水氾濫に注意

国土交通省データプラットフォーム(DPF)で確認できる浸水想定河川

国土交通省データプラットフォームに登録されている北部三重の洪水浸水想定区域データ(2023年版)によると、鈴鹿川水系で以下の3河川が「計画規模」「想定最大規模」の両方のシナリオで浸水想定区域が公開されています。

河川名水系管理浸水想定データ影響エリア
内部川鈴鹿川水系中部地方整備局 三重河川国道事務所計画規模+想定最大規模四日市市
鈴鹿川・鈴鹿川派川鈴鹿川水系中部地方整備局 三重河川国道事務所計画規模+想定最大規模鈴鹿市
安楽川鈴鹿川水系中部地方整備局 三重河川国道事務所計画規模+想定最大規模鈴鹿市

浸水想定区域のGeoJSONデータは国土数値情報ダウンロードから入手でき、GIS上で詳細な浸水範囲を確認できます。

桑名・いなべ・東員・菰野エリアのデータについて 木曽三川(桑名市)や員弁川(いなべ市・東員町)の洪水浸水想定区域データは、2026年2月時点で国土交通省データプラットフォームに未登録です。これらのエリアの洪水リスクは各市町村のハザードマップで確認してください。

市町村別 避難施設数の比較

国土交通省データプラットフォームに登録されている避難施設データ(国土数値情報 P20)から、北部三重7市町村の避難施設数を比較しました。避難施設の多さは災害時の安心感に直結します。

エリア避難施設数学校数公園数浸水想定河川
鈴鹿市40622884鈴鹿川・鈴鹿川派川、安楽川
亀山市37913944
四日市市18625091内部川
菰野町17113541
桑名市12917560
東員町7713254
いなべ市279417

出典: 国土交通省データプラットフォーム(CC BY 4.0)洪水浸水想定区域(A31)・避難施設(P20)・学校(P02)・都市公園(P29)

桑名市は特に注意 桑名市は木曽三川の合流地点に位置し、三重県北部で最も洪水リスクが高い地域です。1959年の伊勢湾台風では三重県で1,200人以上が犠牲になりました。桑名市は2023年9月にハザードマップを更新し、内水浸水実績マップも2012年以降のデータを公開しています。桑名で土地を探す場合は、標高の高い大山田エリアなどの台地上を選ぶとリスクを軽減できます。

南海トラフ地震——三重県北部の予想震度と液状化リスク

南海トラフ巨大地震(想定M9.1)が発生した場合、三重県北部でも震度6弱〜7の揺れが予測されています。加えて、養老-桑名-四日市断層帯(全長約60km)による直下型地震のリスクもあります。

エリア予想震度(南海トラフ)津波リスク液状化リスク
四日市市震度5強〜7中(沿岸部、到達約70分)高(沿岸部)/ 低(内陸部)
桑名市震度6弱〜6強低〜中高(低地・河川デルタ)
鈴鹿市震度6弱〜6強中(沿岸部)中〜高(沿岸部)
東員町震度6弱〜6強なし低〜中
いなべ市震度5強〜6弱なし
亀山市震度5強〜6弱なし
菰野町震度5強〜6弱なし
養老-桑名-四日市断層帯に注目 南海トラフとは別に、養老-桑名-四日市断層帯(A級活断層、全長約60km)が北勢地域を縦断しています。この断層が動くとM8クラスの地震が発生し、北勢地域の大部分が震度6強以上になると推定されています。

液状化リスクは地盤の種類によって大きく異なります。伊勢湾沿岸の沖積低地(最近の地質時代に堆積した柔らかい地層)は液状化リスクが高く、内陸の台地や丘陵地は低い傾向です。いなべ市・亀山市・菰野町など内陸エリアは地震・液状化ともにリスクが比較的低く、地盤が安定しています。

安全な土地を見極める5つのチェックポイント

ハザードマップの確認に加えて、現地でも以下の5つのポイントをチェックしましょう。

安全な土地の特徴: 台地・丘陵地に位置し、ハザードマップ上でリスク着色されていないエリアが理想的です。三重県北部では、四日市市の西部丘陵地(常磐・山手エリア)、桑名市の大山田台地、いなべ市・亀山市の内陸部が比較的リスクの低い地域です。土地選びガイドと合わせて、安全性と利便性のバランスで判断しましょう。

災害リスクと土地価格のバランス——三重県北部の賢い選び方

災害リスクの低いエリアは地価がやや高めですが、三重県北部なら首都圏と比べて十分に手頃な価格です。安全性と費用のバランスを考えましょう。

リスクが低いエリアの特徴

  • 台地・丘陵地に位置する(標高が周辺より高い)
  • ハザードマップで着色されていない
  • 古くからの住宅地(地盤が安定している証拠)
  • 内陸部で津波・高潮のリスクがない

注意が必要なエリアの特徴

  • 河川の近く(特に合流地点や氾濫原)
  • 海抜が低い沿岸部(高潮・津波リスク)
  • 造成された盛土地(地盤沈下・液状化リスク)
  • 山裾の急傾斜地(土砂災害警戒区域)
三重県北部のおすすめ 安全性と通勤利便性のバランスが良いのは、四日市市西部の丘陵住宅地(坪14万円前後)と桑名市大山田エリア(坪18万円前後)です。いなべ市・亀山市は内陸で地盤が安定しており、坪8〜9万円と最も安価。災害リスクと土地代の両面で有利なエリアです。エリア比較ツールで各エリアの詳細を確認してみましょう。

よくある質問

ハザードマップはどこで確認できますか?

国土交通省の「重ねるハザードマップ」(https://disaportal.gsi.go.jp)で住所を入力すれば、洪水・土砂災害・津波のリスクを無料で確認できます。より詳しい情報は各市町村の公式サイトで公開されています。「○○市 ハザードマップ」で検索してください。地盤の強さは「地盤サポートマップ」(ジャパンホームシールド提供)でも無料で調べられます。

三重県北部で地震のリスクが低いエリアはどこですか?

南海トラフ地震の予想震度は三重県全域で高いですが、いなべ市・亀山市・菰野町など内陸部は震度5強〜6弱と比較的低めです。津波リスクもなく、液状化リスクも低い傾向です。一方、四日市市・桑名市の沿岸低地は震度7が予測されるエリアもあるため、同じ市内でも内陸の台地を選ぶことでリスクを大幅に軽減できます。

ハザードマップで色が付いている土地は買わない方がいいですか?

必ずしもそうとは限りません。浸水深0.5m以下(床下浸水レベル)であれば、基礎を高くするなどの対策で対応できる場合もあります。ただし、浸水深3m以上のエリアや「家屋倒壊等氾濫想定区域」、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)は避けることを強くおすすめします。色の濃さと浸水深の関係を正しく読み取り、リスクの程度を判断しましょう。

地盤調査は土地を買う前にできますか?

原則として、地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験)は土地の所有者の許可が必要なため、購入前に実施するのは難しい場合があります。ただし、「地盤サポートマップ」や「地盤カルテ」などの無料オンラインツールで周辺の地盤データを事前に確認することは可能です。また、売主や不動産会社に過去の地盤調査データの有無を問い合わせることもおすすめします。

三重県北部7エリアの土地相場を比較して、安全で予算に合ったエリアを見つけましょう

エリア比較ツールを使う →
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